先生のおすすめ図書

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No. 37 松井岳巳(電子情報システム工学)

バークレー物理学コース2 電磁気上外部リンク

著者:飯田修一 監訳 出版社:丸善 出版年:1970 ISBN:4621029606

先生からの一言
古典的な電磁気学の教科書である。近年、講義に使われることはそれほど多くはないかもしれない。日本の教養課程の教科書との違いは歴然としている。このシリーズの著者にはUCバークレーのノーベル賞級の学者が名前を連ねている。教養課程だからこの程度でいいという発想ではなく、教養課程のうちに初学者に学問への興味を開花させることを目的としている。この本はMKSA系とCGSガウス系を併記するなど独特であるが、流体の一種として捉えた電磁気学の体系が直感的に理解できる名著である。また、当時(今も?)、アメリカの高校の教育課程には微積分が含まれていなかったので、本著は初学者向けの微積分学の教科書としての意味も有していると思う。ほぼ、同時期に出版された同種の教科書にファインマン物理学があるが、著者のファインマンが天才過ぎて、私にはついていけないところがあった。本書の方が一般向きであり、古典的な教科書ではあるが、電磁気学の基本理論は普遍的なものなので、本書は今日でもその輝きを失っていない。

掲載日:2019/09/13

 
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