WEKO3
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運動時に形成される機能的脳ネットワークの探索 : 運動強度の違いに焦点をあてて
http://hdl.handle.net/10748/00011264
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名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
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T01900-001.pdf (11.3 MB)
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Item type | 学位論文 / Thesis or Dissertation(1) | |||||
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公開日 | 2020-01-17 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | 運動時に形成される機能的脳ネットワークの探索 : 運動強度の違いに焦点をあてて | |||||
言語 | ||||||
言語 | jpn | |||||
資源タイプ | ||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_46ec | |||||
資源タイプ | thesis | |||||
著者 |
笠原, 秀昭
× 笠原, 秀昭 |
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著者(ヨミ) |
カサハラ, ヒデアキ
× カサハラ, ヒデアキ |
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抄録 | ||||||
内容記述タイプ | Abstract | |||||
内容記述 | 【背景・目的】運動は認知機能、記憶・学習、情動反応など、多様な精神機能を改善することが一般的に知られている。この運動効果の多様性は、運動が一部の脳領域だけでなく、複数の脳領域に同時に作用していることを示唆する。しかし、運動と精神機能に関するこれまでの研究の多くは特定の脳領域をターゲットとしているに過ぎず、複数の脳領域を対象とした検討はほとんどなされていない。一般に精神機能は一部の脳領域の神経活動だけでなく、複数の脳領域の協調的な賦活によって発揮されると考えられており、運動は広範な脳領域間の協調的な神経活動を引き起こしていると考えられる。このことから、運動の脳機能へ与える効果の神経メカニズムの解明には、これまでの脳機能局在論に基づいた研究だけでは限界があり、脳全体に焦点を当てその協調的な賦活について検討することが必要であると考えられる。近年、脳領域間の協調的な活動を捉える方略として、脳全体のネットワークを解剖学的な接続のみならず、脳領域間の神経活動の共変動をもとにして機能的接続を導き出す機能的脳ネットワークという概念が提案されている。特に軌物実験において行動を拘束・制限しない免疫組織化学的手法を用いた機能的脳ネットワークの同定法は、運動時の機能的脳ネットワークを同定するために有用な方法であると考えられる。機能的脳ネットワークの同定は相関分析によって行われ、ネットワークの特徴を抽出するためにはグラフ理論解析が用いられる。その際、まず機能的接続を認めるための閾値となる相関係数の値の設定が重要となり、さらに次数分布、次数中心性、媒介中心性、モジュラリティなどの指標を算出することが必要となる。しかし、これらの機能的脳ネットワークの解析に用いる指標に統ーした基準が確立されているとは言えない。さらに、運動強度によって精神機能や脳の神経活動に与える影響は異なることが報告されているにも関わらず、運動時の機能的脳ネットワークの運動強度依存性については検討されていない。本研究では運動強度の違いに焦点を当て、動物実験による免疫組織化学的手法を用いて運動時の機能的脳ネットワークを可視化し、論理的に妥当な手法によって運動時の機能的脳ネットワークを探索し、さらにその運動強度依存性について検討することを目的とした。【方法】本実験では、Wistar系雄ラット(n=48)に異なる運動強度で30分の急性トレッドミルランニングを行わせた。運動強度はOm/min(非運動群)、15m/min(低強度運動群)、25m/min(高強度運動群)の3条件とした。c-Fos免疫組織化学染色を用いて、運動や精神機能に関連する28か所の脳領域の運勧時の神経活動を定量化した。各脳領域のc-Fos陽性細胞面積率をもとに相関係数を算出することで機能的脳ネットワークを求め、ネットワークの特徴の抽出にはグラフ理論解析を用いた。【結果・考察】運動は、その強度にかかわらず、一次運動野(Ml)、外側線条体(dlCPu)、扁桃体中心核(Ce)、海馬歯状回(DG)、青斑核(LC)における神経活動を賦活した。また、高強度運動においてのみ神経活動が非運動群よりも有意に大きかった脳領域は、二次運動野(M2)、体性感覚野(S1)、内側線条体(dmCPu)、側坐核(NAcC、NAcS)、視床下部室傍核(PVN)、海嗚(CA1)、腹側被蓋野(VTA)、扁桃体基底外側核(BLA)、背側縫線核腹側部(DRV)であった。一方で、神経活動が低強度運動群においてのみ非運動群よりも有意に大きかった脳領域は、背側縫線核維管束間部(DRI)であった。これらの結果は、急性運動によって賦活される脳領域は運動強度によって異なることを示唆している。機能的脳ネットワークの同定のために、まず、相関分析を行った。各運動強度の相関行列における全相関係数の平均値の比較を行った結果、相関係数の平均値は非運動群よりも低強度運動群、高強度運動群共に有意に小さい値を示し、さらに高強度運動群よりも低強度運動群は有意に小さい値を示した。このことは、運動時において特定の脳領域の協調性が高まり、その傾向は低強度運動によってより顕著であることを示唆する。脳領域間の相関係数をもとに各運動強度の機能的脳ネットワークを可視化するために、機能的接続の有無を判断するための閾値となる相関係数の値を|0.55|,|0.60|,|0.65|,|0.70|,|0.75|,|0.80|と設定し、機能的脳ネットワークを描写した。本研究では、妥当な機能的脳ネットワークとなる相関係数の閾値を選定するため、各ネットワークについて次数分布(ある頂点に接続している辺の数の頻度)を算出し、それが多くの生物学ネットワークで見られる特徴であるべき乗則に従う(スケールフリー)かどうかを検討した。その結果、|0.65|が、3群共通してスケールフリーに近い次数分布を示したことから、本研究においては閾値をr>|0.65|と設定したネットワークが妥当な機能的脳ネットワークとした。次に、各運動強度における機能的脳ネットワークの特徴を抽出するためグラフ理論解析を行った。各機能的脳ネットワークのハブ領域を推定するには次数中心性と媒介中心性を算出し、クラスター構造を推定にはモジュラリティを算出した。その結果、非運動時では4つのハブ領域(IL,ACC,NAcC,BLA)、低強度運動時では5つのハブ領域(Ml,M2,dmCPu,NAcC,CA1)、高強度運動時では1つのハブ領域(Hb)を有することが示された。さらに、非運動時には4つのクラスター(解剖学的に比較的近い脳領域同士によって形成されるクラスター)を形成し、低強度運動時には3つのクラスター(記憶と運動機能を統合するクラスター、快を得るために認知的価値判断をするためのクラスターを含む)を形成し、高強度運時には3つのクラスター(強い刺激に対する負の情動を発現に関するクラスター、認知機能と運動機能を統合するクラスターを含む)を形成することが示された。これらの結果は、運動時に賦活する機能的脳ネットワークのハブ領域やクラスター構造が運動強度により異なることを示し、運動時に形成される機能的脳ネットワークは強度に依存して変化することを示唆している。本研究は、運動時に形成される機能的脳ネットワークの同定を試みた初めての研究であり、このような研究は、今後、運動による精神機能改善効果の神経メカニズムの理解に大きな洞察を提供するものである。 | |||||
内容記述 | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | 首都大学東京, 2019-03-25, 修士(健康科学) | |||||
書誌情報 | p. 1-114, 発行日 2019-03-25 | |||||
著者版フラグ | ||||||
出版タイプ | AM | |||||
出版タイプResource | http://purl.org/coar/version/c_ab4af688f83e57aa | |||||
学位名 | ||||||
学位名 | 修士(健康科学) | |||||
学位授与機関 | ||||||
学位授与機関名 | 首都大学東京 | |||||
学位授与年月日 | ||||||
学位授与年月日 | 2019-03-25 |