WEKO3
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様々な身体部位における歩行中の物体知覚と行動調整に関する検討 : ダイナミックタッチの貢献
http://hdl.handle.net/10748/00011262
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名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
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T01898-001.pdf (6.6 MB)
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Item type | 学位論文 / Thesis or Dissertation(1) | |||||
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公開日 | 2020-01-17 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | 様々な身体部位における歩行中の物体知覚と行動調整に関する検討 : ダイナミックタッチの貢献 | |||||
言語 | ||||||
言語 | jpn | |||||
資源タイプ | ||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_46ec | |||||
資源タイプ | thesis | |||||
著者 |
渡邉, 諒
× 渡邉, 諒 |
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著者(ヨミ) |
ワタナベ, リョウ
× ワタナベ, リョウ |
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抄録 | ||||||
内容記述タイプ | Abstract | |||||
内容記述 | 私たちは歩行中,手以外にも身体の各部位に物体を身に着けたまま巧みに行動を調整できる。本研究では,様々な身体部位に物体を伴った状態でも適切に歩行調整する際に,ダイナミックタッチで得られた情報が利用されていることである。ダイナミックタッチとは,身体との間に発生する抵抗からその物体の特性を知覚するプロセスのことである。本研究では,このダイナミックタッチの関与を実証する方法として,参加者に棒が見えないようゴーグルで視野を制限した状態で,錘を取り付けた棒を振ってもらった。実験中には,その錘の取りつけ位置を変えることにより,棒と身体部位との間に発生する慣性モーメントを変化させる方法を用いた。歩行中の行動調整課題として,水平棒を手で把持した状態,もしくは頭部や体幹部に取り付けた状態で,棒の先端を歩行路の途中に吊り下げたドアに固定したターゲット(本研究では空間軸と表現)に合わせるように歩行軌道を調整することを参加者に求めた。もしダイナミックタッチで得られた情報が歩行軌道の調整にも利用されるならば,棒に取り付けた錘位置を把持部から遠ざけると,参加者は実際の先端位置をより遠くに知覚し,錘が把持部に近い棒を合わせる時に比べて相対的に遠ざかる方向(空間軸・ドアからは遠ざかる方向)に歩行軌道を調整すると予想した。また,手以外の身体部位で同じことをおこなっても,手の場合と同じ様式で歩行軌道を調整すると予想した。本研究では,目的達成のために4つの実験を行った。先行研究におけるダイナミックタッチでは,参加者が座位や立位の状態(いわゆる静止状態)で検証している。そこで本研究の第1実験では,歩行時と立位時の両条件下で実験を行い,歩行時にも立位時と同様,ダイナミックタッチで得られた情報が歩行調整に利用されるかを検証した。実験の結果,水平棒を手に持った状況と,頭に取り付けた状況のいずれにおいても,棒に取り付けた錘の位置を把持部から遠ざけることで,棒を長いと知覚した時に生じる歩行調整(空間軸・ドアか遠ざかるような調整)が行われた。また,静的な棒先端位置の調整,並びに棒の長さの回答も錘の位置の操作に応じて行われた。この結果は,①立位時と同様,歩行中の軌道調整にダイナミックタッチで得られた情報が利用されたこと,さらに,②手,頭部のいずれにおいてもダイナミックタッチの情報が利用可能であったことを示唆する。なお,第1実験では以上の結果に加えて,水平棒を伴う身体部位が手なのか頭部なのかによって,棒先端の調整位置が異なった。この結果に対して,本研究では2つの解釈を考えた。第1に,頭などの物体を伴う経験が少ない部位では,ダイナミックタッチを手のように行動に利用することが困難であった可能性である。第2に,ダイナミックタッチそのものは頭部でも同様だが,頭部は,取り付けた棒が他部位より障害物(本研究における空間軸を設置していたドア)と接触するリスクを考慮し,ドアから遠ざかるように行動した可能性である。2つの解釈のどちらがより妥当かを検証するため,第2実験では,水平棒を体幹部に取り付ける条件を加えて検証を行った。体幹部は頭部と同様,物体を伴い行動する経験が少ない身体部位として選定した。もし第1の解釈が正しければ,手条件にのみ,頭部条件や体幹部条件と異なる歩行調整が行われると予想した。逆に第2の解釈が正しければ,頭部条件のみ,手条件や体幹部条件と異なる歩行調整が行われると予想した。実験の結果,第2の解釈を支持する結果が得られた。仮にこの第2の解釈が正しい場合,頭部であっても歩行調整時に障害物との接触のリスクがない条件下では,頭部条件での歩行調整の特異性は消失することが予想される。そこで第3実験では,空間軸とドアとの距離を第1·2実験よりも20cm遠くし,ドアと棒先端の接触リスクが極めて少ない状況下で実験を行った。その結果,予想とは異なり,接触リスクが極めて少ない状況でも,第1•2実験の結果は再現された。この結果から,頭部に物体を伴う状態での歩行調整の特異性は,接触リスク以外の要因を考える必要が生じた。そこで次に考えたのが,頭部における空間知覚特性の影響であった。空間的注意をつかさどる大脳右半球では,左半球よりも空間知覚に優位性があるため,右半球の対側である左空間に注意のバイアスがかかりやすいことが知られている。第1-3実験までの結果は,右空間の空間軸に対して棒先端を合わせる課題で得られたものであった。仮に頭部において他部位より空間知覚における左方向への偏位傾向が大きかった場合,その影響で左方向へと棒の先端位置を調整していた可能性がある。もしこの考えが正しい場合,空間軸を左側に設置した場合にはその影響は消失し,手でも頭部でも同位置に調整を行うと予想した。第4実験を検討した結果,左に空間軸を設置した条件では,頭における歩行調整の特異性は消失した。すなわち,頭における特異的な行動調整は,ターゲットの空間位置に依存する現象であり,物体知覚や歩行調整に内在する問題ではないことが示唆された。以上の4つの実験結果に基づき,本研究は,様々な身体部位において物体を伴った状態での歩行調整には,ダイナミックタッチという知覚プロセスによって得られた情報が利用されることを明らかにした。また,第1-3実験においては,頭部条件では特異的な歩行調整が行われたが,この行動はターゲットの空間位償によって低減することから,この影響は,頭部の右空間に特異的な知覚特性の影響による可能性が示唆された。そのため,様々な身体部位においてダイナミックタッチで得た情報そのものは頭部や体幹部でも同程度に歩行調整に利用されていることが示唆された。 | |||||
内容記述 | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | 首都大学東京, 2019-03-25, 修士(健康科学) | |||||
書誌情報 | p. 1-93, 発行日 2019-03-25 | |||||
著者版フラグ | ||||||
出版タイプ | AM | |||||
出版タイプResource | http://purl.org/coar/version/c_ab4af688f83e57aa | |||||
学位名 | ||||||
学位名 | 修士(健康科学) | |||||
学位授与機関 | ||||||
学位授与機関名 | 首都大学東京 | |||||
学位授与年月日 | ||||||
学位授与年月日 | 2019-03-25 |