先生のおすすめ図書

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No. 9 小島 広久(航空宇宙システム工学)

カオス : 新しい科学をつくる外部リンク

著者:ジェイムズ・グリック著、大貫昌子訳、上田睆亮監修 出版社:新潮社 出版年:1991 ISBN:9784102361016

先生からの一言

この本は、カオス(混沌)が如何にして学問として作られてきたのかが分かる、誰でも気軽に読める文庫本である。この本の巻末の解説にも書いてあるように、ジェイムズ・グリックが著した「Chaos-Making A New Science」の訳本で、原著が出版された当時はベストセラーであった。

私は最近、楕円軌道上に置かれたテザー衛星の秤運運動がカオス的挙動を示すことに興味を持ち研究を行っており、研究室の学生に読むよう勧めている。この本を読むと、カオス(混沌)が実は私達のまわりの至るところに隠れており、しかもそこに共通する数学があるということに驚かされる。また科学の深い面白み、さらにはカオスという学問を作ってきた研究者の人生における悩みの一旦を垣間見ることができる面白い本だと思うので、是非一読されてはどうだろうか。ただ、カオス学問の黎明期に研究を行った日本人研究者がこの本(原著)には取り上げられていないのが残念である。

掲載日:2011/01/14

 
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